リペアや製作に絶対と言っていいほど

役に立つ超マストアイテム。

これなくしてシーンは語れません。

 

接着剤 フランクリンタイトボンド

 

ギター接着に適したフランクリンタイトボンド。多くのリペアー、製作シーンで使用されています。乾燥が早く、乾くと強固になります。一般木工用のホワイトボンドより温度変化に優れ、硬化度合も優れます。必要に応じて木粉を混ぜて色を調節したり、水で薄めて粘度を調整して使用が可能です。 塗布後10分〜30分接着面を固定します。品質に影響が出ますので、出来る限り4℃以上で使用します。

 

http://guitar--parts.net/goods/8011.html

楽器の接着に非常に適している「ニカワ」についてです。

既にご存知の方も多いかと存じますが、改めてということで

宜しくお願い致します。

 

 

■膠(にかわ)とは

狩猟等で捕まえた動物、魚の皮、骨などを煮出して溶け出した「タンパク質」が干物になったものです。紀元前4000年、接着剤として中国やエジプトで使われていました。暖めると柔らかくなり常温ではすぐに固まる「にかわ」の特性を昔の人は知っていました。動物や魚類の骨や皮を水と一緒に煮て、溶け出す「コラーゲン」を加工した「ゼラチン」を原料としています。この 「コラーゲン」を日本語で膠(にかわ)と呼んでいます。混合物が多いと臭いますが、湿度や温度に応じ伸縮し、高級な家具や楽器の接着に使われています。 このような利点のある「にかわ」に勝る接着剤はまだ見つかっていません。「にかわ」は仏教の伝来と同時に、墨と一緒に7世紀頃日本に伝わってきました。今日では使い捨ての品や工場製の安価な物品が普及しています。ですが洋の東西を問わず、特に日本では「にかわ」はあまり知られていません。また、西洋でも使われることが少なくなった物の一つでしょう。しかし弦楽器に使われる「にかわ」には上記のようにたいへん深い歴史と役割があります。

 


最近の化粧品に、コラーゲン配合・・・とか、素肌を美しくする・・・とかよく耳にする「コラーゲン」。これは、漢字で書くと「膠質」となります。近年、美容・食品・化粧品などに広く利用されている「コラーゲン」は「ゼラチン」=「にかわ」でもあります。「コラーゲン」は、その性質を上手く利用して止血剤、歯周病の治療、入れ歯や人工骨にも使われます。その他に人工血管、人工皮膚、人工臓器、また薬のカプセルとしても「コラーゲン」は注目されています。さらに、日本画絵具を紙などの支持体の上に定着させる為、絵具に混ぜて使います。日本画では「鹿膠」や「三千本」等、独特のものが使われています。洋画技法では「ウサギ膠」が代表的です。英語で「ハイドグルー」と言われているのは「にかわ」のことです。「ハイド」とは牛や馬の皮のことで、これを煮込んで作ったものが「ハイドグルー」です。接着力は非常に強力で、セットスピードが遅いので正確な位置決めを要する接着に適しています。また、水分と熱を加えると溶けますので、硬化後の分解も容易です。楽器の製作や修理、修復に最適で、「クラッキング(ひび割れ)」仕上げにも使えます。

 

■ニカワの特性

楽器は音を奏でるもので、音を振動させる材料は木が多く使われています。その木材に一番近い状態の「にかわ」を、一番振動を伝える必要がある部分に使用します。また、耐水性が悪いのを利用して湿気や水分を与えてはがし、修理しやすくなっています。

ヴァイオリンの名器も「にかわ」で接着されています。色は高粘度のものは淡く、低粘度のものは黄色みがかっていますが、

 
1 透明性に優れる。
2 物性が安定している為、各種機械・作業に対応可能
3 供給の安定性に優れる
4 透明性の高さを求められる「にかわ」液の原料としても使用

 

「にかわ」は温度差によるゾル(液体)⇔ゲル(固体)の変化を利用し木材等を瞬間的に接着します。古くは墨、墨汁、漆器、仏具、楽器、家具等で使用されます。現在ではマッチ、研磨布紙、バフ、貼箱、事務用品、上製本、紙管等にも使用されています。

強度はあまり強くないので力の掛かる部分での接着には不向きです。温度変化の大きい箇所での使用も注意が必要です。直射日光が当り温度が上がる場所で「にかわ」が柔らかくなり、接着面が動く可能性があります。が、この特性を利用して、高級な家具や楽器に「にかわ」が使われています。「にかわ」は素早く乾き、硬くなる性質があります。曲げようとするとガラスのように割れます。

ちなみに、完全に乾いた「ホワイトボンド」はゴムのように柔らかい状態で、性質に違いがみられます。

 

■ニカワの成分

「にかわ」の成分は「ゼラチン」です。魚・動物の皮や骨が原材料です。「にかわ」と「ゼラチン」は基本的には同じ物質です。採取する部位によって性質が少しずつ異なり、対象によって使い分けられます。たとえば、イタリアで金箔を張るための石膏に使うのは兎の皮の「にかわ」です一般に市販されている石膏には水分を吸って、時間が経つと固まるように混合物が配合されています。

が、本来石膏は「にかわ」で固められ、お湯の中に付けておくとまた柔らかくなる性質があります。家具の修理には、一般に骨の「にかわ」が使われています。イタリアでは弦楽器修理に、ケーキ用で魚から作られる「ゼラチン」が手に入りやすいです。精密な仕事に向いているので使っている人も多くいます。

 

「にかわ」は動物の皮や骨等を原料とし、これを水と共に加熱して製造した有機たんぱく質です。接着を主とする工業上の用途において、ほかの物質に見られない数々の物質を持っています。「コラーゲン」は人間や動物の体の中にある「タンパク質」の一種で、体全体に存在しています。特に骨、皮膚、腱、歯、血管などには多く含まれています。「コラーゲン」の主な役割は支えたり結びつけ、細胞と細胞の間で、細胞同士をくっつけます。現在、「にかわ」は牛の皮を原料としていて、抽出方法等によりグレードが決まります。主として乾燥皮(シェイビング)と生皮(ニベ)があり、国内の原料がほとんどです。が、中国や韓国などより輸入もされています。製造は、石灰浸漬−洗浄−中和−抽出−漬澄−ろ過−濃縮−成型−乾燥−包装の工程があります。最後に検査−格付けのうえ出荷されます。「にかわ」は天然物質で生分解性があり、環境にやさしい無公害接着剤です。

 
 

■ニカワの溶かし方

小さな鍋などに「にかわ」を入れ、「にかわ」がちょうど隠れる高さまで水を注ぎます。次にホットプレートの上に鍋を置き、少量の「酢」を入れ熱しながら混ぜます。「酢」を入れるのは、「にかわ」の硬化速度を少し遅らせる為で、入れなくても問題はありません。 「酢」を入れることで殺菌効果が生じ、硬化時間も長くなりますが、接着力が落ち入れ過ぎに注意します。 熱する温度は60度を基準にします。60度より低くても接着力は落ちませんが、70度を超えると接着力が落ちますので注意します。作業中も熱を加えてこの温度を保つようにします。「にかわ」が 温まり柔らかくなったら、必要に応じて「塩」をスプーン一杯ほど入れます。

「塩」は防腐・防虫に効果があります。

 


■ニカワ」の塗り方

「にかわ」は一晩ほど水に漬けた後、適度に暖めると流動性があります。冷えるとまずゼリー状になり、水分を失うと硬化し木の繊維同志をくっ付けます。弦楽器の接着に使う場合には、一般工芸品の場合より少し薄めにします。特に修理などで剥がす必要がある場合に、堅く付き過ぎ剥がれず、板が割れる場合があります。接着力が強いボンドなどを使うと剥がすことが困難になります。湯煎した「にかわ」を刷毛や筆を使い塗った後、圧力をかけて張り合わせます。「にかわ」は早く固まるので、素早い作業が求められます。

 

「にかわ」は付けたり剥がしたりが比較的容易ですが、湿度や温度の変化にも敏感で、古くなると剥がれやすくなります。もし楽器の接着部分が剥がれた時は、まず古い「にかわ」を湯に浸け少し硬めの筆で除去します。その後(木が湯でふやけ過ぎないように注意)、新しい「にかわ」を入れ軽くクランプで締め付けます。そして、はみ出した「にかわ」が乾かないうちに筆等で取り除いておきます。乾燥後も水に濡らすと徐々にゼリー状になり、きれいに取り除くことが可能です。「にかわ」のはみ出し部分は必ずきれいに取り除きます。そのままにしておくと塗装がうまく載らなくなり、仕上がりに影響が出ます。

 

「にかわ」は容液の濃度で接着力が変わります。接着部位によって臨機応変に濃度を変えて使います。一般的には「接着面が広い場合は薄く、狭い場合は濃く」を基本とします。又、木自体の密度によっても接着力が変わります。接着面同士の平面具合でも変わります。一般的に、木工精度が良いほど(きっちり組み合わさるほど)接着力が上がります。平面同士でない場合は接着力が弱まるので、ネック折れなどのリペアには通常「にかわ」を使いません。「絶対剥がれない、剥がす可能性もない」という箇所にはエポキシなど合成接着剤の方が適します。

 

 
■ニカワの歴史

接着剤である膠として5000年以上前の古代から利用されていたと考えられています。シュメール時代にも使用されていたとも言われています。古代エジプト壁画には膠の製造が描かれ、墓から膠を使った家具や宝石箱も出ています。中国では、西暦300年頃の魏の時代にススと膠液を練った「膠墨」が作られたとされます。また6世紀頃には現代とほとんど変わらない膠製造の記録も見られます。中国から日本に膠が伝わったのは日本書紀などの記述から推古天皇の時代と考えられています。食材としての伝来は遅く明治以降、欧米の食文化の到来とともにゼラチンとして知られる事になりました。食用のゲル化剤としては和菓子などに用いる寒天や葛粉などに広く用いられていた事もあります。昭和10年頃、国内で食品にできるだけの純度に精製する技術が確立しました。その後、ようやく食品用ゼラチンが普及する事となりました。

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